大人のアラセコンドはどこに出すべきか?

こんにちは、新宿、横浜で活動している
バレエトレーニングディレクターの猪野です

最近は大人からバレエを始める方や
楽しむ方が増えて来ているようです

大人も出れるコンクールも開催され
バレエに興味を持った大人が増えるのは
この業界にいる人間としては喜ばしいことです

さて、とはいっても
問題がないわけではありません

なぜならバレエというものが
バレエの踊りに向いた身体を前提として
発展して来た背景があるので
大人が趣味として始めるためのメソッド
というものが全く確立していないのです

良くある問題の一つで
アラセコンドはどこに出すべきか
というものがあります

ターンアウトが出来ていれば
つま先から動けば
横に出るだけの話なのですが

ターンアウトが出来ないと
つま先の方向が
斜め横になってしまいます

私は無理をして
股関節を開こうとして
骨盤が開いたりするならば
つま先の方向に出すことで
体のアライメントを注意するべきだ
と考えていました
その上で少しづつターンアウトしていけば
良いだろうという考えです

最近、私は個人的にバレエ教授法を
ダンシングファンの石島みどり先生から
学んでいるのですが
みどり先生はターンアウトに関係なく
横に脚を出すように指導するそうです

その理由としては
バーは常にセンターのためにある
という考えのもと
アラセコンドをつま先の方向に出していたら
グリッサードやアッサンブレが
成り立たないから
ということだそうです

ターンアウトを無視するわけではなく
ターンアウトは出来るだけ意識した上で
センターのために横に出させる
という考えだそうです
足りない分は仕方がない、と

ここが大人がバレエをする上で
難しくなっている問題と
先生が教えるのに困る理由です

どうしても、仕方のない部分が出てしまう
大人のバレエをどう教えるか
その問題は
無視出来ない段階になってきていると思います

上の二つの考えは

解剖学的な構造を優先するか

バレエにおける動きの方向性を優先するか

の違いで起こりますが

どちらが間違いとも正解とも言えないと考えています

この優先順位をどのように組み合わせるかが

先生の腕の見せ所でしょうか

大人の人に完全にバレエをさせるのは
残念ながら無理かもしれません

でも、踊ってみたいという
その気持ちを叶えるために
いかに大人の身体に合わせて
教えていくかということを
また別に考えていかないと
いけないのかもしれません

何を目的にしたバーなのかを考えることで
ある時はつま先の方向に、とか
別の時は横に出させる
なんていうその日で違った
バリエーションもありかもしれません

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  • ABOUT

    猪野 恵司 -Keiji Ino-

    バレエトレーニングディレクター
    プロフィール詳細

    カリフォルニア州立大学ロングビーチ校で機能解剖学を学ぶ。
    大学卒業と同時にサクラメントバレエ団でプロダンサーとして活躍。退団後はバレエ専門のパーソナルトレーナーとして活動している。