明けましておめでとうございます。

新宿、横浜で活動しているバレエトレーニングディレクターの猪野です。

皆さんはプロダンサーの生きる世界に対してどんなイメージがありますか？

好きなことで生きていけるなんて素敵、とか

そうは言っても大変そう、とか

色々なイメージがあると思います。

そんな中バレリーナに憧れる子供たちは

トップバレリーナの姿に憧れて「あのバレリーナのように踊りで生きていきたい」

と思う子が多いように私は感じています。

バレリーナに憧れる気持ちは上達する上でとても大切です。

ただ、プロの世界の現実と自分の憧れにギャップがあり過ぎると

22歳くらいになってから「こんなはずじゃなかった」となりかねないので

プロの世界の最低限超えないといけない厳しさをお伝えします。

それは

能力がない人間は死ね

です。

大切なことなのでもう一度言います。

能力がない人間は死ね

これがプロの世界の理です。

ただ、この能力が高ければ高いほど好きなように生きても

誰にも文句を言われなくなるのが、能力があるプロのメリットです。

極端な話、普段は物凄く飲んだくれているようなダメ人間でも

一度舞台に立ってパフォーマンスをすれば、誰もが感動して涙するようなダンサーなら

踊ってさえくれれば後はご自由にどうぞ。となることも可能です。

トップバレリーナが好きな事をしているように見えるのは

最低限の能力が当然あって、

どんな欠点があっても、全ての人間を黙らせる程のクオリティを踊りで出せるからです。

もちろん、トッププロになるくらいですから大体の人間はその仕事に対して誠実ですが。

なのでここで言いたいのは

トッププロが享受しているメリットだけに目を奪われすぎていると

彼らと共に研鑽を重ねながらも、

認められる能力が持てずに死んでいったダンサーが（見えないながら）

足元に何万と転がっているという事実があることを

わからないままプロを目指すことになる

ということです。

なので、99％のプロを目指す人間が

屍側に回ることになる覚悟の中で頑張らないといけないことを

予め知っておかないといけません。

何だか日本人て背水の陣が好きな人がいて

バレエに集中するために高校辞めました、とか

無駄に逃げ道を潰す人がいますが

全くお勧めしません。

高校行きながらプロダンサーを目指せないような低い能力なら

そもそも向いてないので黙って高校は行った方がいいです。

何かを目指すために必要のないリスクを取る人って

何だか「俺はこれをやる為に仕事まで辞めたのだからうまくいくはずだ」

みたいな甘えを感じることが良くあって

リスクの取り方が下手ですよね。

個人的にはダンサーとして死んだとしても

人生が終わらないようにしておくのがお勧めです。

自分の目指している世界が本当はどんな世界なのか

プロの世界の理は理解してから目指しましょう。