「出来る」と「好き」を分けてみる

好きなことと出来ることは違うかもしれない。

 

こんにちは、新宿、横浜で活動しているバレエトレーニングディレクターの猪野です。

今回の記事は人によっておそらく反感を招くと思いますが、夢を叶えるとか、成功するということにおいての個人的な見解です。

 

私はバレエ専門でトレーナーをしています。バレエに対しての姿勢は人それぞれですが、プロダンサーになりたいという方もいらっしゃいます。

 

日常的によく使われるプロのという言葉です。何か得意というだけでプロと言えたりします。

俺は早寝早起きのプロだぜ、みたいな。

ただ、ここで出てくるプロとは本来の意味である職業人としてのプロフェッショナル、踊ることで生計を立てることを指してお話します。

 

 

プロダンサーになるというのは社会的に価値があるということです。自分の踊りにお金が発生していて、それを払ってでも観に行きたいと思われる人です。

さらにはそれで生計を立てられる人です。

 

 

私がプロを目指している方からよく聞くのが、「踊りが好きなのでプロになりたい」というセリフです。

その気持ちはすごくよくわかります。好きなことで生きていけたら幸せですよね。

しかし、考えて欲しいのは自分が好きなことと、自分が出来ることは別である場合があるのです。

 

 

バレエが大好きでたくさんレッスンを受けている大人の人がいます。

ただ、残念ながらその人たちの踊りにプロのクオリティを期待し、お金を払ってでも行きたいと思う人は家族や友達以外にはあまりいないと思うのです。ましてやそれで生計なんて立てられないですよね。

 

 

お客さんはお金を払って観に来てくれます。お客さんが見たいのはあなたがどれだけ踊りが好きかということではありません。あなたがすごく踊れることを観たいのです。

 

プロダンサーというのは踊りにお金が発生する社会的な価値があるという人のことです。

お金を払う価値のある踊りの技術や芸術性を持っていることです。

 

だから踊りが好きかということと、能力として踊れるかということは実は別問題です。

もちろん、踊りが好きでその上で踊れる能力を持つ人はたくさんいます。それは幸せです。

 

でも、好きなことが自分の出来る事と一致しないことがあります。

例えば、踊りの中でもコンテンポラリーが上手いのに一番好きなのはクラシックだとか。

踊りが好きだけど、一番得意なのは絵を描くこととか。

 

夢を語るとき、人間はつい自分の好きな事を職業にしたいと思いがちです。それを否定はしません。しかし、夢を現実に職業としてやっていくには社会的に価値を発生させないといけません。

 

赤の他人にお金を出してもらって自分の踊りを買ってもらわないといけないのです。

 

赤の他人はあなたが踊りを好きかなんてどうでもいいのです。お金を出す価値のある踊りが出来るかが全てです。

 

 

こういう事を書くと、大抵は「お金が全てじゃない」という反論を受けるのですが、敢えて言わせてもらいます。

 

プロならお金が全てです。

 

お金が全てではないのでアマチュアのダンサーです。

プロダンサーはお金をもらって踊るという事の最低限の責任を取れないといけません。

発表会なら失敗も許されますが、プロの世界では失敗するとお客さんを失います。

 

お金をもらっているのですから、お客さんから「ブラボー!」って言われないとダメなんです。賞賛に値する踊りをすればお客さんは増えます。支払われるお金は増えます。経営も成り立ちます。プロはそれが全てです。

 

だからお金が全てです。

 

失敗して経験を積むことに人生としての価値はあっても、プロの仕事としては無価値です。

夢を叶えてプロになるということには社会的な金銭的成功は不可欠です。

その為には自分に出来る事を正確に見定めていないといけません。

 

 

これはダンスの世界以外でも共通です。

先日亡くなったちびまる子ちゃんの作者のさくらももこさんは、元々恋愛を描く少女漫画家になりたかったそうです。

でも、自分が出来たのは自分の人生を使ったエッセイ漫画だったことに気づいて夢を修正したと語っていました。

 

テレビで引っ張りだこの林修先生は投資や会社を興す事ことで生計を立てたかったそうです。

でも上手くいかず、その後自分が得意だと認識していた「教える」ということをやって今の状態になったそうです。

 

プロになるには他人に認めてもらうレベルで出来ないとダメなんです。他人がお金を払ってくれるのですから当然です。

 

 

好きなことで挑戦をするのはすごく良いことです。でも、それでも上手くいかないと心が病みますよ、本当に。

 

想像して下さい、何百とオーデイションに参加したり、手紙を送ったりしているのに返事すらこないという状況を。

自分の踊りに価値がないと突きつけられるようになる状態です。今まで好きだった踊りが簡単に嫌いになるくらい辛いです。病みますよ。

 

得意と好きを履き違えるとそのような状態になる確率が上がります。

 

好きなことで夢を目指してはいけないと言っているわけではないのです。死ぬときにやっておけばよかったと思いたくないでしょ?

でも、覚悟だけは必要です。上手くいかないと思いのほか心を壊してくるレベルで辛いということに。

 

今回の記事でプロを目指す人に考えて欲しいのが、自分の好きと得意は別かもしれないという事と、プロダンサーとしての社会的価値です。

 

夢はキラキラしたところに目がいきます。

でも本当に本気ならプロに求められる本当の所、上手くいかない時の精神を壊すほどのマイナス面も想定していて欲しいと思います。

 

自分の踊りで赤の他人からお金を貰えるようにする自信と覚悟がありますか?

 

夢は思いのほか甘くないです。頭を使って努力してください。グッドラック。

 

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  • ABOUT

    猪野 恵司 -Keiji Ino-

    バレエトレーニングディレクター
    プロフィール詳細

    カリフォルニア州立大学ロングビーチ校で機能解剖学を学ぶ。
    大学卒業と同時にサクラメントバレエ団でプロダンサーとして活躍。退団後はバレエ専門のパーソナルトレーナーとして活動している。