完成されたプロと未完成な生徒

こんにちは、新宿、横浜で活動している
バレエトレーニングディレクターの猪野です

前回、スタミナがいかに大切か
ということを書きました

ただ練習する内容や
トレーニング強度というのは
ダンサーのレベルによって違います

特にジュニアのダンサーは
身体が完成してないので
プロがギリギリ耐えられるようなレベルで
練習してしまうと
怪我の可能性は当然上がります

スタミナにせよ技術にせよ
一般的な考えでは
練習の強度や専門性からいって
なるべく早い段階で
バレエを始めた方が
良いダンサーになれるような
考えが有りますが
ある研究では(スポーツの研究ですが)
若すぎる内から
あまりに専門的な練習ばかりすると
ドロップアウトや燃え尽きてしまう
ということも指摘されています
むしろ、
いろいろ種類のスポーツなどを経験させ
その後に
専門的な練習に絞るなどした方が
良い結果を得られやすいと言われてます

話が逸れますが、
ピークが早く来てしまう
フィギアスケートや新体操は
早い段階で専門性が求められたりします

さて、話を戻すと
そこから考えれば
早い内から
バレエばっかりやらせても
それが最善とはいえない
ということです

さらにプロを目指すところから言えば
カンパニーでは多様な種類のダンスの
公演があるわけですから
(少なとも、コンテンポラリー、モダン
ジャズなどはよくあります)
神経系にたくさんの動きを学習させられる
幼少期にクラシックバレエだけをさせるのは
将来的にもマイナスと言えると思います

プロには当然専門的な
トレーニングや練習が必要です

とはいえ、将来的にその場所に
行きたいと思う生徒にも
同じような練習をさせてしまうのは
どうしても問題に繋がりがちです

バリエーションしか見せない
コンクールなどは
専門的分野の最たる例ですから
子供を頻繁に出場させるのは
どうしても私は疑問に思ってしまうのです

トレーナーの立場から言えば
肉体的な成熟と共に
精神的な成熟も
ジュニアにはまだありませんから
プリンシパルがやることを
今する必要はないと思うのです

むしろ多様な動きを
沢山させることで
一部分だけを使って
オーバーユースの怪我をすることも
少なくなる上に
スタミナもつくわけですから
色々なことを
子供には経験してほしいと思います

子供と大人は違う生き物です
それぞれに合った練習を
させてあげたいですね

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  • ABOUT

    猪野 恵司 -Keiji Ino-

    バレエトレーニングディレクター
    プロフィール詳細

    カリフォルニア州立大学ロングビーチ校で機能解剖学を学ぶ。
    大学卒業と同時にサクラメントバレエ団でプロダンサーとして活躍。退団後はバレエ専門のパーソナルトレーナーとして活動している。