こんにちは、新宿、横浜で活動しているバレエトレーニングディレクターの猪野です。

スポーツクラブでバレエクラスがあるというのは珍しくないですが、スポーツクラブでバレエを続けていて上手くなれるのか？

という質問を受けることがあります。

結論から言ってしまうと、上達は厳しい場合が多いと思います。全部とは言いませんけど。

もちろん良い先生はいるかもしれませんが、スポーツクラブの構造がバレエの上達の為に出来ていないのです。

通常のバレエレッスンは90分ですが、スポーツクラブでは大抵その時間よりも短くなります。

まちまちですが、75分、60分、45分、30分とかなり無理のある時間設定になっています。

どうしてこれが起こるかというと、スポーツクラブ特有の理由があります。

不公平感が出ないようにする為とか、様々なコンテンツを提供したいのか、理由はクラブによります。

時間が短いとどこかを削らないといけません。そうするとレッスンの流れに歪みが出ます。

そもそも時間がないので注意なんて出来ません。

そもそもスポーツクラブのプログラムは会員の引き留めの為なので顧客満足度が第一です。

なので、基礎ばかりの退屈なレッスンはどうしてもしにくくなります。体を動かしたいという望みを叶えきれないからです。

ここに難しいところがあります。

スポーツクラブは体を動かすが前提で、バレエスタジオはバレエを学ぶが前提です。

この前提の違いを踏まえて、スポーツジム経営の目線でレッスンを作ると、そこでは何となくバレエ体験をさせておけば十分なんです。

バレエ教師がしっかり教えようと思っても、雇われる以上はクラブ経営者の要求は飲まざるをえません。

そうすると、どうしても上達しにくいプログラムになってしまうのです。まぁ、どうせジムのプログラムだし。という枕詞が常に付きまといます。

さらに、スポーツクラブ関係者はバレエを知らないので、変なバレエを教える先生が平気で長い期間クラスを担当することがあります。

初めてバレエを習う人には教えらたものが可笑しいどうかはわかりませんから、そこで変な癖がついたります。

このような理由から私はバレエをスポーツクラブでやるのはあまりお勧めしません。

ジムのレッスン歴が長いと、いざバレエスタジオに入った時も「ジム上がり」というレッテルが貼られたりしてとにかく面倒です。

スポーツクラブでバレエが出来たら実際の所安くないですか？

逆に言えば、その程度の価値しか提供はされないってことなんです。

バレエの入り口としてスポーツクラブを否定はしませんが、上達したいと思ったらなるべく早くバレエスタジオを探した方がいいと思います。

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