プロになりたいならまずは踊りを楽しいと思ってほしい

こんにちは、新宿、横浜で活動しているバレエトレーニングディレクターの猪野です。

 

小さい頃からバレエを始めれば、上手くなるのに有利という考えはかなり根強いようで3歳とか4歳とかからバレエを始めて小学4年生にはポアントを履き始める子まで多くいます。

 

小さい頃からの英才教育で、バレエもポアントも早ければ上手くなりやすいということはないのは、こちらのブログでも書いてきたことです。算数が満足に出来ない人間に高校生の数学を教えるようなものなので、順序が飛びすぎなので上手くいかないでしょう。

 

では、小さい時にバレエを始めずに何をすればいいのかですが、別に踊りを学ぶことは良いのですが変にレベルの高い事を教えないでほしいということです。吸収出来ません。

 

それならば、踊りをしっかりと楽しいものだと子供に感じてもらうことの方がよほど重要です。なぜならば、踊りが好きだという気持ちが上達の為には一番大事だからです。

 

当たり前だと思いますか?それならば、幼いころから週6回の習い事でいつも疲れている子どもが本当にそれを楽しんでやっているのでしょうか?物事には適した時期というものがあります。プロのなるための身体は骨がある程度固まって、厳しい練習やトレーニングを受け入れられるようになってからやるべきなのです。

 

幼い時期に育てるべきは、踊りを楽しいと思う心の方です。これをないがしろにして人を感動させるプロは生まれないと私は考えています。夢に向かう原動力がないからです。

 

少し話が逸れますが、以前にボストンバレエにオーディションに行ったとき、バレエ歴は10歳から数えて何年なのかを書くようにと指示されました。つまり、それより前のバレエ歴は彼らにとって大して意味がないのです。

 

プロバレエ団が(1例ではありますが)そのような考えをもっているのに、さてこれに対してそれでも早いほうが良いと考えるのでしょうか?プロとして雇うかを決めるのはバレエを始めさせた親ではなくカンパニーディレクターであるのに、その意向を無視するかのような教育法にどこまでも効果があるのかは、怪しいと言わざるを得ません。

 

バレエのプロって大変なんです。だから、踊りを楽しいという心もなしに出来る職業ではありません。もっというと長く踊るダンサーはバレエが水や空気と同じレベルだったりします。楽しいとか以前に踊ってないと死ぬレベルでバレエが人生に組み込まれているような人達です。

 

そのような人たちと200倍くらいある倍率のオーディションで比べられるのですよ、嫌々やってて勝てるわけがありません。

 

プロになろうというのは人生が傾くほど厳しい道です。だから、それに向かうステップには「楽しかったから」「好きだから」という原点がどうしても必要です。

 

小さいころからやって、確かにプロになれるかはわからないですが、まずは踊っていて楽しいと思えることが子供にとって当たり前になることを願うばかりです。

 

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  • ABOUT

    猪野 恵司 -Keiji Ino-

    バレエトレーニングディレクター
    プロフィール詳細

    カリフォルニア州立大学ロングビーチ校で機能解剖学を学ぶ。
    大学卒業と同時にサクラメントバレエ団でプロダンサーとして活躍。退団後はバレエ専門のパーソナルトレーナーとして活動している。